相談役日記

正当に評価されるには

塾経営のTips
2010.09.16
石井正和

人生はどうなるか誰にもわかりません。
しかし、生きている限りは5年後・10年後といった将来の自分が必ず存在します。
そのときにも無論生活していかなければならないわけですが、
問題はどのように生活していくかです。
もちろん、皆さん追い詰められた生活はしたくないと思うことでしょう。
では、それを避けるためにはどうすればいいでしょうか。

会社勤めをされている方は、自分が社長でない限りは
当然使われる立場であり、評価される立場にあります。
きちんと生活できるかどうかは、この「評価」に左右されるわけですが、
乱暴な言い方をすれば、評価というのは「好かれるか」「嫌われるか」で決まるものなのです。

昔、私も会社員をやっていましたが、どこでも長く勤まりませんでした。
最初に入社したところも紹介で入ったにも関わらず、
上司とウマが合わずに3ヶ月しか勤まりませんでした。
その次に勤めたのはホテルでしたが、最初の配属先でとても印象的な出来事がありました。
40、50人程が集まった会議の終わりに、同期4、5人と一緒に新人挨拶をしたときのことです。
1週間勤めてみて、気付いた点や改善した方が良い点について忌たんのない意見を聞かせて欲しいと言われたのです。
どうしよう、何を言おう、と考えて迷っている最中に司会に指名されてしまいました。
返事をして立ち上がったものの、声が小さいと注意され、もう一度返事をする羽目になりました。
パニックになりながらも、
会場のホールと外のプールをつなぐドアのゴムがはがれかかっていたのがたまたま目につき
それを指摘しました。汚いし、みっともないと思う、と。
すると司会に、そんなことは分かっているとたしなめられたのでした。
なぜそんな風に言われなければならないのか分からず、私は憮然とするばかりでした。
その後、別の地域に配属になったとき、
たまたまその司会をやっていた上司と同時期に一緒の配属になったので当時のことを聞いてみました。
すると、あの時君はどういう気持ちで意見したのかと聞かれました。
声が小さいと言われたことで腹を立てていたのではないのかと。
君の言った内容は間違っていない、むしろ正しいことだったけれども、
言い方が良くなかったからなだめたのだと彼は言いました。
そう聞いて初めて、私は人間は感情の生き物であるということを学んだのです。
要するに、正しいことを言っていたとしても、物言いが悪いと
素直に受け入れてもらえなかったり、嫌われたりするということです。

これは組織の中で動く上では重要なことで、
特に上の立場になると、指摘されることが少なくなるのでなかなか分からないのです。
同じことを言うにしても、言い方によっては
気がつかないうちに下の立場の人を傷つけたり馬鹿にしたりしまいます。
そうすると下の立場の人たちは上に対して悪い評価を下すでしょう。

生徒や保護者、あるいは先生たちに嫌われるような塾長が
仕事を上手くやっていけるはずはありません。
たとえ正しいことを言う・やるにしても、周囲に受け入れられ認められなければ意味がありません。
周囲に好かれたい、評価されない、と悩んでいる人は、こうしたところから見直してみてもいいかもしれませんね。