相談役日記
(番外編)師走のこの時期、お疲れの方が多いようです
師走の慌ただしい時期、皆様いかがお過ごしでしょうか。近頃はどこか、お疲れの方が多いように見受けられます。
先日、大阪出張のため朝の混雑する京浜東北線に乗っていた際、少し考えさせられる光景を目にしました。 私の目の前にある6席の優先席は、すべて40代以下と思われる方々で埋まっていました。スマートフォンに没頭する若者や、福祉関係の本を読みふける青年。中には非常に品のある素敵な女性もいらっしゃいました。
隣の蕨駅で電車が止まったときです。足元が今にも崩れそうなほどおぼつかない、ご高齢の方が乗車してこられました。周囲が思わず道を空けるほどの危なっかしい足取りで、その方は優先席の方へ歩いてこられます。
「当然、誰かが席を譲るだろう」と思って見ていましたが、残念ながら誰も立とうとしません。 私はたまらず、福祉関係の本を読んでいた青年に「代わってあげたら?」と声をかけました。彼は無言で立ち上がり、席を譲りました。彼はお年寄りが乗ってきた時から何度か視線を送っていたので、状況には気づいていたはずです。
ところが、席を譲られたお年寄りも、一言の礼もなく無反応なまま目を閉じてしまいました。その様子に、少し寂しい気持ちになったのも事実です。
今の現役世代は、わずか30〜40分の乗車時間も立っていられないほど疲れ切っているのでしょうか。そこから1日が始まるというのに、わずかな時間すら他者に優しくなれないようでは、良い仕事はできないのではないか……と、つくづく考えてしまいました。
私も優先席を譲られる年齢に差し掛かりましたが、仕事に行けば元気に働けています。それはなんと幸せなことかと再認識すると同時に、自分も少々「うるさい親父」になったものだと苦笑いするばかりです。
皆様にとって、来年が良い年になりますようお祈り申し上げます。