相談役日記
私の大好きだった、あるハンバーグ屋さん
2年前まで私は、あるハンバーグ屋さんに、週1回のペースで通っていました。
ハンバーグがとてもおいしくて、一度食べると病みつきになる味でした。
私が通うのはいつもランチ時でしたが、4・5組のお客さんが待っているほど繁盛していました。
ホールは40代ぐらいの感じのよい女性が担当し、手際よく客をさばいていました。
この店は、スープがお替わりできるのですが、メイン料理が運ばれる前にだいたい一杯飲んで待っていたものでした。
その感じのよいホールの女性の方は、いつも絶妙なタイミングで「スープのお替わりいかがですか」と明るい笑顔で注文を取りにきます。
普通の店のホールスタッフは客から「お替わり」と言われたらスープを運んできますが、このお店のホールの女性の方は、スープと同様に温かみのある応対をいつもしてくれていました。
週1回のペースで通っている時は、感じが良いのが店として当たり前だと思っていましたが、ある時、その女性が辞められて、同じ40代ぐらいの別の女性が新しくホールの担当になりました。
その新しく代わった女性は、ごくごく普通の、注文を受けたらは動くタイプの方で、良くもなければ悪くもない、言われたらやるというタイプのようでした。
そうするとビックリすることが起こりました。
・・・お客さんがどんどん減っていったのです。
私も週1回のペースで通っていたものが、2週間に1回になり、1ヶ月に1回、3ヶ月に1回、半年に1回になり・・・としだいに足が遠のいていきました。
つい先日、その店の前を通ったので、久しぶりに寄ってみました。
相変わらず、おいしいハンバーグでしたが、ぜひ「また来たい」という気持ちにはなりませんでした。
お客さんは、その女性の『お客さんに対する気遣いと、明るい笑顔』を求めて食事をしに来ていたんだということを、改めて痛感しました。
これは何も飲食店に限ったことではなく、塾でも同じことが起こりうることを我々は忘れてはなりません。