相談役日記
来社応対とカウンセリング:入塾の鍵を握る重要プロセス
チラシやホームページを見て来塾された保護者と生徒にとって、塾長と対面して塾のシステム説明を受け、入塾を判断する来塾応対は、最も重要なプロセスです。
1. 第一印象で決まる!「歓迎の気持ちを伝える」
保護者・生徒さんと会った瞬間が勝負です。
明るく元気に、感じよく挨拶できているか、そして細やかな気遣いができているかが重要です。
例:雨が降っていたら、「濡れませんでしたか?」と声をかける。
もし濡れていたら、さりげなくタオルを差し出す。
2. 生徒とのクラッチング「仲良くなるためのアプローチ」
生徒とのクラッチング(心の距離を縮めること)を意識し、仲良くなることを目指しましょう。
例:趣味を聞き、生徒が頑張っていることを見つけたら、心から褒める。
3. 「テスト」で弱点を明確化する
直近の英・数・国、そして伸ばしたい科目のテストを必ず持ってきてもらいましょう。
中にはテストを持ってくるのをためらうご家庭もありますが、その際はこう伝えてください。
例:「お子様の弱点や、どうすれば成績が伸びるのかを的確にアドバイスするには、テストが一番分かりやすい情報源なんです。」
このように説明すれば、ほとんどのご家庭がテストを持ってきてくれます。
4. カウンセリングで入塾をほぼ決める
カウンセリングの段階で、入塾するかどうかの判断はほぼ90%決まります。
生徒のテストが60点だったとしましょう。
これは、40点分間違えているということです。
その「間違えている理由」を的確に説明することが肝心です。
英語であれば、「文法(基本)が抜けている」「発音が弱い」「単語力がない」「読解力がない」といった理由が、ほぼ90%の説明につながります。
間違っている問題(✕の問題)を一緒に見て、どこができていないか具体的な理由を指摘し、どうすれば改善できるかを伝えましょう。
5. 成功イメージを共有する
カウンセリング後、生徒にこう質問してみましょう。
「この間違っている箇所の半分ができるようになったら、嬉しい?悲しい?」
「もし、今の60点に半分(20点)プラスされて80点になったらどうかな?」
この問いには、ほとんどの生徒が「嬉しい!」「(80点に)なりたい!」と答えるはずです。
そして、カウンセリングの後は、体験授業を行って「成績が上がる」と実感させてください。
体験授業の目的は、生徒が「本当にこの塾に入塾したら、成績が上がる」と確信してもらうことです。
講師は生徒に、明るく、元気に、親切に接してください。
生徒が「わからない」と感じている問題を「わかる」まで丁寧に教え、「この先生と一緒に頑張りたい」と思われるようにしましょう。
パソコンの画面を見て教材の説明をするだけでは入塾にはつながりませんし、パソコンの画面をただ見るだけのような授業は、退屈で生徒の心には響きません。
塾で頑張れば成績が上がるんだ、そして「この塾の先生は自分のために一生懸命、愛情を持って指導してくれるんだ」と、生徒や保護者に心から感じてもらうことが重要です。
生徒が入塾したくなるような体験指導をするには、生徒のニーズ(どの科目を伸ばしたいのか、そのためにどうすればよいか)をカウンセリングでしっかり把握していなければ、的確な指導はできません。
だからこそ、カウンセリングが最も重要なのです。