相談役日記

魅力的な言葉

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2025.11.05
石井正和

FC塾の広告には、加盟を検討されている方々にとって非常に魅力的な言葉が並んでいます。

① あなた一人で生徒50名まで入塾可能。

② 黒字経営の塾を譲渡します。

③ ロイヤリティが0円。

しかし、これらの謳い文句には、冷静な注意が必要です。

①「あなた一人で生徒50名まで入塾可能」の真実
塾の開業において、最も難しいのは生徒の「集客」です。

この謳い文句は、「事実ではない」とは言えません。
しかし、「あなたの努力次第で年収1億円も可能」という漠然とした期待を煽るメッセージと同じ意味合いでしかありません。
あなた一人で生徒50名という目標は、極めて高い集客力と営業努力が前提であることを認識すべきです。

②「黒字経営の塾を譲渡します」の落とし穴
「現在」は黒字かもしれません。しかし、受験終了後の生徒の「退塾率」を考慮しなければなりません。一般的に、生徒の30%〜50%が退塾するという可能性は常に存在します。

特に、パソコン塾などの分野では、高校生への継続率や新規入塾者の獲得がほぼゼロに近いという厳しい現実もあります。
譲渡後の安定的な経営には、季節的な生徒数の変動リスクを織り込む必要があります。

③「ロイヤリティ0円」の隠れたコスト
ロイヤリティが0円というのは、一見魅力的です。
しかし、実際には他の名目で費用が徴収されているケースがほとんどです。
(例)システム管理費、機材利用費、教材費、広告分担金など

「ロイヤリティ」という名目ではないだけで、実質的なランニングコストが発生しないわけではない点に注意が必要です。

あなたが「良いな」「楽しそうだ」「儲かりそうだ」といった感情的な魅力に惹かれたとしても、塾経営において努力なくして成功できるものはありません。

生徒や保護者のニーズは、あくまで「成績を上げたい」「志望校に合格させたい」に他なりません。この本質的な「視点」が欠如していると感じた場合は、そのフランチャイズを疑うべきです。

生徒にとって本当に成績が上がるシステムは何かを深く熟慮し、その上でフランチャイズを選ぶのが、最も失敗しない方法です。

真実を伝えることって、本当に難しいですね・・・